中小企業の経営力向上マガジン「事業成長担保権」

「中小企業の経営力向上マガジン」2022年11月24日号
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【本日のテーマ】
■事業成長担保権
事業成長担保権、ご存知ですか?
ここのところ、新聞などでもちょこちょこ見かけるようになりました。
簡単に説明すると「企業の持つ財産全部を担保として捉えて扱う」。
従来の担保は、不動産であったり売掛金であったりと、貸借対照表の資産の 部にあるものが主となっていました。
事業成長担保権は、その枠組みを大きく広げようとするものです。
金融機関は貸付金の保全を行うあたり、担保や保証を求めてきましたが、 担保の幅を拡張することで、より柔軟に資金の供給をしようと考えが背景に あります。
また、ビジネスモデルの急速な変化も、事業成長担保権の必要性を高めている。
例えば、マーケティングノウハウを武器にしたスタートアップ企業では、 損益分岐点を超えるまでは、人材投資、広告費の前払いなどに資金を思いって 投入していくことが求めれます。
卸売業では出入金差による運転資金、製造業では工場や機械への設備資金 といった形の融資の考えでは、上記のような資金の融通は難しいということです。
さらに、事業性評価による融資が思いのほか、進んでいないことも挙げられます。
政府の肝入りで「事業性評価!」と金融機関に声をかけ、後押ししたものの やはり、保全の利く優良企業が主たる対象となり、想定したような普及は見られなかった。
さて、予想される例を、簡単に挙げます。
特定の地域で注文住宅専門で事業を展開してきた建設業での事業承継のケース。
現状であれば、承継者がこの会社の株式を購入して引き継ぐ場合に金融機関は、 承継者の資産等をもって、融資を検討します。
一方、事業成長担保権が実際に活用されるようになると、特定の地域で 注文住宅専門の建設業を営んでいたことから、リフォーム、建て替えなどの ニーズを持つ顧客を相当数、保有しているとう事実がある。
では、この顧客の存在を担保にしてといった話になるということです。
先に、スタートアップ企業の話をしましたが、事業成長担保権を検討している 政府主導の研究会などでは、こうした既存企業においても、様々な担保の形、 要するに無形資産を担保にできるよう検討を重ねています。
まだまだ、越えなければならないハードルがありますが、 今後の流れから目が離せない話です。
ちなみに、欧米ではすでに同様の制度があり、実践されていることを 最後にお伝えしておきます!

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